着物の保管と手入れ

◎虫干し

 空気が乾燥する10月下旬~11月上旬又は、1月下旬~2月上旬そして梅雨が明けた7月(土用の虫干し)。晴天が2~3日続いた後の日に午前10時頃から午後2時頃までが最適。きもの1枚づつ裏返しに掛けて、風通しの良い所で陰干しをします。どうしても時間が無い時は,たとう紙を広げて、きものをたたんだまま風を通すだけでも効果はあります。タンスの引き出しを開けておくだけでも違います。

◎防虫剤

 和服用しょうのうや,ピレスロイド系は安全(量には注意)ですが、パラジクロロベンゼン系、ナフタリン系は絹には向かず、金糸、銀糸、箔、ラメを変色させます。また、種類の違うものを同時に使わないで下さい。防虫剤をお求めの際は、「きものに向く」ことを確かめて購入して下さい。きもの用と表示してあるものが販売されています。

◎収納

 着物の収納には、吸湿性や防虫効果が高い総桐タンスが最適です。総桐で正しく収納すれば、除湿剤や防虫剤も必要ありません。また、ビニール袋や紙箱等に入れたまま保管しないで下さい。

⚠注意して下さい!
色焼け 絹織物は繊維の構造上、色落ちの完全防止は有りえません。よく好まれる淡い色は、比較的色焼けし易いものです。直射日光(紫外線)や赤外線の熱はなるべく避けて下さい。

白い生地の黄変 白い長襦袢や裏地等の長い年月による黄変は、絹であると言う証拠とも言え、ある程度避けられません。しかし、下記のように保管上の原因も大いにあります。
1.ひどい汗などの放置
2.暖房ガスやタバコの煙
3.蒸れる状態での保管     
4.昼夜の温度差の大きい冷暖房の部屋での保管
5.ドライクリーニングに出した 等

斑点のシミ 保管中に発生した黄褐色の斑点状のシミは、カビによるものです。防止の決め手は、乾燥した状態での保管と虫干しです。

◎着物を着終わったら

 外出から帰って着物を脱いだら、シミや汚れがないかよく点検します。汚れがなければ、着物用ハンガーに掛けて2~3時間くらい陰干しをします。体温や汗の温もりをとってから、柔らかい布などで袖口、裾、肩のあたりを優しくたたいてホコリを落とします。

◎シミや汚れがあったとき

 普段の小紋や生地が縮みにくい大島紬などは応急処置として、下にきれいなタオルを敷き水に濡らせたタオルで上から叩き、汚れを下のタオルに吸いとらせる方法があります。叩くごとにタオルをずらすことがポイントです。その後乾いたタオルで水気を吸い取り、陰干しをして自然に乾かせます。(この時、お湯や薬品等は使用しないで下さい。)
縮緬(ちりめん),綸子(りんず)等,やわらかものと言われる染の着物は水を使うと輪じみが目立つことがあるので,お勧めできません。※汚れのひどいものは呉服屋又は,着物専門の洗い業者に出して下さい。

 ●参考:ベンジンでのシミ抜き方法(充分注意が必要です)

◎シワがあったとき

 着物をたたむとき、シワ伸ばしにアイロンをかける場合は、必ず当て布をして適切な温度でかけて下さい。スチームアイロンは絶対に使わないで下さい。

 どうしてもしつこいシワをとりたい時は、当て布をいったん着物から放し、その布に軽く霧を吹きかけ、これをのせてアイロンをかけて下さい。このとき湿り気を残さないよう注意して下さい。(この方法は生地が縮む可能性もあるので通常は当て布だけにして下さい)

◎帯、長襦袢、小物、もその日のうちに

 帯、長襦袢、小物なども同様に軽くホコリを取ってシワを伸ばし、陰干しして下さい。汚れがあれば軽くたたくように拭き取ります。

◎パールトーン加工(PT)

 パールトーン加工は水や泥はねをはじき、着物を汚れにくくします。またカビ防止にも効果があります。効果は半永久的と言われていますが、丸洗いや摩擦で効果は少しずつ薄れます。
 ★アフターサービス

パールトーン加工をしておくと、アフターサービスで衿や袖口などの基本的な汚れについては無料で落としてくれるので、経済的です。

※加工後20年間、パールトーンのリボンが付いた着物が対象。

※汚れの種類によって有料の場合有り。
※他店でPT加工されたお着物は手数料1,000円を申し受けます。

パールトーン加工

◇きものお手入れ承ります

シミ抜き,丸洗い,染め替え,パールトーン加工,仕立て直し、袖丈直し、裄直し等,各種悉皆承ります。いと善までご持参下さい。

いと善ブログ
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