仕立てについて

寸法

 着物を購入して呉服店が寸法書を作成する場合は着用者の「身長」「裄」「ヒップ」などを採寸して割り出しますが、いくつか注意することがあります。 こちらから何も言わなければ、そのまま標準寸法表に従って決められる可能性があるので、以下の事に注意して必要に応じて相談する必要があります。


  1. 着物と長襦袢の「裄」と「袖丈」を対応させる
    基本的に長襦袢の裄(ゆき)と袖丈は着物より2分(8mm)~3分(11mm)短くします。着物だけを仕立てる場合は下に着る予定の長襦袢を採寸してもらいましょう。 また、着物と長襦袢を同時に仕立てる場合でも、着回しがきくように既にお手持ちの着物や長襦袢の寸法に合わせた方が便利です。
  2. 素材によって裄(ゆき)を変える
    紬、お召し、麻など比較的軽くてゴワッとした固めの素材は裄の長さに注意が必要です。通常は 長襦袢より2分程度(約8mm)長めに仕立てるのが基本ですが、 これらの素材は基本通りの寸法だと、着た時に肩で生地を取られて短くなり、袖口から長襦袢がのぞいてしまうことがあります。素材や体型にもよりますが、裄は通常より長めに しましょう。
  3. 長襦袢丈に注意 
    長襦袢丈は対丈(ついたけ)なので、長過ぎると表着の下(裾)から見えてしまいます。 着付の方法によって調整が必要です。一般的な腰紐を使う場合では締めた時長襦袢の裾が少し上がりますが、 腰紐を使わずコーリンベルトだけで着る場合(締め付けない)は裾の位置は上がらないので、長襦袢丈が長過ぎることがあります。 腰紐をする場合よりは長襦袢丈を5分(約19mm)程度短めに仕立て方がよいでしょう。
  4. 着る目的を伝える
    茶道をされる方はお点前(おてまえ)する時に正座のまま向きを変える動作があるなど、裾がはだけ易いので、前幅を少し広めにします。
    日本舞踊をされる方は袖口をつかむしぐさがあるので、裄を長めにします。「衣紋(えもん)」を多めに抜くので、「繰り越し」や「衿肩あき」を多めに取ります。

 

和裁

どんなに上質な着物を購入しても仕立てが悪ければ着心地は悪いし、見た目にも美しくありません。仕立代が安いからといって、仕立てに問題があっては着物の価値が半減したようなものです。衿のカーブなど難易度の高い部分は和裁士の腕によって差が付きます。よほど和裁の知識があるとか、着物を見慣れている方でないと判断しにくいことですが、購入した店の仕立レベルには注意しましょう。

  1. 個人の和裁士さん:それぞれ和裁士さんの技量が違いますから、呉服店がどれだけのレベルを基準にして和裁士さんを選択しているかということで変わってきます。
  2. 和裁学校:一定レベル以上の生徒さんが仕立てるということになるようです。先生がチェックしているので多くの場合問題ないと思いますが、チェックをどれだけ厳しくしているかが重要です。 
  3. 海外縫製:着物の仕立ても中国やベトナムの海外縫製が多いのが現状です。海外縫製会社によって品質に差があります。しっかり品質管理している会社なら奇麗に仕立てますし、納期も守ります。ですから海外縫製だからといって極端に安くはありません。逆にあまり安過ぎるのは要注意かもしれません。
     問題なのは、せっかく良い着物を買っても、知らないうちに海外縫製に出されて、しかも通常の国内縫製と同じ仕立代をお客様が支払わされている場合があることです。多くの場合品質的に問題はないかもしれませんが、やはり着物(和服)は日本の和裁士さんに仕立ててもらうことを基本にしたいものです。

 

◎「いと善」では国内縫製が基本

和裁の先生をされていた地元の和裁士さんをメインに、パールトーンの国内縫製などで仕立てております。

◎海外縫製を利用する場合

仕立代を安く抑えたいと言う場合には海外縫製を利用することがあります(取引先:パールトーン 自社工場を持っており品質管理、納期管理もしっかりしています)。

 

いと善ブログ
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