価格について

 着物に定価は殆どありません。価格は最終的に呉服屋が仕入れ値などから判断して決めますが、基準はまちまち。例えば全く同じ友禅訪問着がA店では20万円、B店では50万円など、かなり開きがあるのが現実です。 よほど目利きでないと生地の善し悪し、染め織り加工の違いなど判断できないですからね。
電気製品など型や機能がはっきりしている業界は値段重視なので大規模店が安いというメカニズムが働きますが、きものには当てはまりません。 小規模な個人の呉服屋は高いという誤解がある様ですが、品物をセレクトして買い取り仕入れをすることで、リーズナブルな価格で揃えている店も多いのです。 個人の店でいつ行ってもある程度の品物を揃えていれば、買い取り仕入れを基本にしていると言えるでしょう。
また、百貨店の呉服部は標準的な価格で販売されていると聞きます(もちろん各社の仕入れ形態や商品によって差はあると思います)。

●展示会販売について:伝統工芸展、作家展など展示会販売では、メーカー/問屋から商品を揃えてもらうことになるので、買い取り仕入れよりは価格が高くなります。 その代わり、例えば「結城紬」「江戸小紋」などテーマごとの品揃えにボリュームが生まれるので魅力的な品揃えができるのが利点です。 問題はここでも店によって価格の差が大きいこと! 派手な演出、旅行販売、レディース(展示会勧誘販売員)をたくさん使う、などで価格に転化されているからです。
●一般的価格:問屋などから商品を借りて店または展示会で販売される価格が一般的な価格と言われている場合が多いようです。当然買い取り仕入れの場合は仕入れが安くなるのでその一般的価格よりリーズナブルに販売されるのが通常です。


★肝心なのは、信頼できる店を見つけることに尽きます。

 適正な価格は大前提なのですが、更に大切なことがあります

  1. 品質:素材の良い品物は価格が高めでも、長く気持ちよく着れるので結局経済的。
  2. センス (デザインとコーディネイト):売れ残り品を安く仕入れて安く販売することは簡単です。価格だけに惑わされないことが大切。
  3. 的確なアドバイス:どんなに良い品物でもユーザーの希望やイメージとミスマッチだったらがっかりですよね。
  4. 仕立て:どんなに良い品物でも、仕立てや裏地の質が悪かったら値打ちが半減したようなものです。 胴裏、八掛、帯芯など本体以外も品質は色々です。一般には分かりにくい部分なので、コスト削減で安いものを使うことは簡単なのです。
  5. アフターサービス:気軽にクリーニングやお直しなど細かいことでも頼める地元の店があると便利ですよ。

本当に好きな着物を長く愛用したいですからね!

 

いと善ブログ
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